自身で吃音を認識する時期は個々によって違いますが、7~8歳になってからという人が多いようです。
そのうち治ると聞かされていた親が、小学校に通い始めても治らないことを気にして話し方を注意したり、 友達にまねされたり、笑いものにされたりしてだんだんと認識していくのです。
就学後に自然治癒するケースは減少し、なおかつ、この時期を過ぎると治りにくいと言われていますが、就学児より上の年齢の調査は行われておらず、歳を重ねるにつれ、吃音を隠したがる人も増え、正確な人数を調査するのは難しいのが現状で、成人を含めた吃音者の数はわかっていません。
とにかく、小学校へ通い始めてからは、多くの人が、自身で認識するようになると思ってよいでしょう。
そして、これまでは感じなかった苦しみや、これまでとは違った悩みを抱えていくのです。
学校にあがると、教科書の朗読や、発表など、みんなの前で話す場面が増えますが、声が出なくなったり、分かっているのに「わからない」と言ってしまったりします。
話すことを怖がって、手をあげることがなくなり、「もっと積極的に発言しましょう」と指導されてしまったりもします。
学芸会などの舞台に出してもらえなかったり、いやがらせや、変に同情を受けたりして、人間関係が大きなストレスとなり、 同じ年頃の子どものように、学ぶ楽しみ、喜びを味わうということが、できなくなってしまうのです。
さらに、社会へ出ればより多くの人と接して話すことに直面し、より大きな不安、恐怖、プレッシャーを抱え、とてつもないストレスと闘うことになります。
しかしながら、完治する方法が明確になっていない現在、多くの吃音者が、このストレスと闘い続けているのが現実なのです。