吃音はいつも必ず症状が出るというわけではありません。
同じ状況でも、同じように話せなくなると、決まっているわけではないのです。
いつもと違う状況では、吃音症状がはげしくなると思いがちですが、逆に症状がおさまる場合もあります。
出る時もあれば、出ない時もあります
いつもつっかえてしまう言葉を、すらりと発することができたり、いつも発音できていた言葉を、詰まらせてしまうこともあります。
個人差もあり、打ち解けた相手の中では、症状が出にくく、初対面の相手が、しかも大勢であれば、症状が重くなるという人もいれば、真逆のことを訴える人もいます。
それから吃音の症状は、はげしくなる時期とそうでない時期をくり返す波が存在するのも特徴です。
波には、もちろん個人差がありますが、個々においても必ずしも一定ではなく、数週間の場合もあれば、吃音が治ったと思えるほど症状が落ち着いていても、数ヵ月後に再び現れるような長い波のこともあります。
また、同じ言葉を何度もくり返して話す練習をすると慣れて、つっかえずに話せるようになりますが、時間がたつと、練習する前の状態に戻ったり、つっかえないように話そうと考えれば考えるほど体がこわばって、症状がはげしくなってしまうような、もどかしさもあります。
そのため、 吃音は「謎」に包まれているといわれることが多いのです。
なお、幼い頃から吃音症状を持って育った人も、成人後に吃音が始まった人もいますが、発症時期による症状の差はありません。