吃音は、幼児期の3~4才で発症することが一番多いといわれています。
それ以前の、乳児のころには、バーバー、ジージ、ワンワンなど、簡単な音のくり返しが多いのですが、3~4才になると、言葉を覚えてとてもおしゃべりになる時期なので、話し方の違いに気がつくのではないでしょうか。
そのために、話し始めた時にはすでに吃音だった、気づいたときには吃音だった、3~4才の頃から吃音になったという人が多いのではないかと思います。
そもそも、幼児期というのは脳や体などがすべて活発に成長している時期で、上手に会話ができないのは当然です。
言いたくてもうまく発音できなかったり、考えていることを伝える言葉が思いつかなかったり、言葉をつなげて会話にすることがとても難しく、言葉を言い直したり、くり返したり、つっかえてしまったりすることは、みな当たり前のことなのです。
こうする中で、子どもは、話し方を体得していきます。このうち、吃音の症状が明確に現れてくる子どもは、はっきりとした吃音症状が出るときと、すっかり治ったかのように症状が出ないときが周期的に交互にやってくるといいます。
さらに、前兆として
- 話す速度が、大きく変化する
- 単語と単語の区切りで話が止まるのではなく、単語の途中で切れる
- 話の途中で、相手から目線を外す
- 話すときの口が不自然な形になる
などの症状が現れることがあるようです。
しかし、必ずしもこれが吃音の前触れと決定付けるものではなく、子どもはみな、言葉をつっかえたり、くり返したりしながら会話をおぼえていくということを覚えておきましょう。
吃音は、3~4歳でもっとも多く発症しますが、7~8歳までに、半数以上が自然治癒するようです。
これは、幼児期には、吃音であることがわからないか、自分ではっきりと認識していな状態であって、自分の話し方に、不安や恐怖、迷いや緊張などがないためだと考えられています。
このように、自分自身で認識できていない時期は治りやすいともいえます。
しかしながら、自然治癒する子どもとしない子どもに何かしら違いがあるかは、明らかになっていません。
それから、周囲が、吃音がひどいと思っていても、子ども本人は、さほど気にしているとは限りません。
その反対もあり、周囲は、気にするほどの吃音ではないと思っていても子ども本人は、想像以上に思い悩んでいることもあります。
また、自身で認識するようになる時期には、もちろん、個人差があります。
気づかせないようにしようと気をまわしすぎ、かえって子どもに気づかせてしまうということもあります。
余計に心配することによって、子どもを不安にさせてしまうこともあるのです。
こうした、いろいろな状況の中、自分の話し方は、何かがおかしいと認識した子どもは、音を伸ばしたり、くり返したりする話し方から、自分の話し方を気にするあまり、言葉に詰まったり、途中で途切れたり、さらに、なんとかうまく話そうと手足を動かす随伴運動を伴った話し方に変わっていくのです。
そしてやはり、この変化やその速さも個々によって違うこと、すべては一様でないことを認識しておきましょう。