様々な方面で科学が発達した現代。
私たちのまわりにある微生物の研究も進んでいます。
微生物にも、乳酸菌やこうじ菌などの私たちの体に役立つものもあれば、モノを腐敗させるもととなる役に立たないものもあります。
その役に立つ有用な微生物の共生体で、農業、畜産などに利用されているEM菌。
もしかしたら耳にしたことがある人もいるかもしれませんね。
EM菌とはなんのことでしょうか。
実はEM菌とは造語であり、有用微生物の共生体
EM菌のEはEffective (有用な)MはMicroorganisms(微生物)をさします。
つまり有用微生物の共生体の造語です。
EM菌といっても、そのような単独の菌が存在するわけではありません。
EMと聞いただけでは、なんのことだかよく分からない人もいるかもしれません。
それで、EMと微生物を関連づけて人々の間でEM菌と呼ばれるようになり、現在に至っています。
ではそのはじまりと歴史はどのようなものなのでしょうか。
その歴史は1960年代後半にさかのぼります。
琉球大学農学部教授の比嘉照夫氏が産みの親です。
比嘉氏は光合成微生物が農業に有効だという説を聞き、微生物の可能性を研究し始めました。
農業に有効な微生物を探し求めて四苦八苦されたようです。
もうあきらめようかと思ったころに、研究で使った安全な微生物を捨てるのはもったいないと思い、草むらにまきました。
するとどうでしょう。
微生物をまいた部分が、青々としげっていたのです。
そこで比嘉氏は、有用な微生物を組み合わせることによる大きな可能性をつかんだのです。
それから色々な微生物を組み合わせて実験を繰り返しました。
そこでついに最適な組み合わせを発見しました。
もともとは農業に利用する目的で開発されましたが、今では農業、畜産のみならず、医療や環境の改善などにも利用されています。
EMには抗酸化作用がありますので、私たちの体にも大変役立つのです。
特に食べ物や環境が汚染されている現代、積極的に生活に取り入れるといいでしょう。